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ピルは約50万人位の女性が避妊 法として常用しているものと推定されている。近年、含有ホルモン量を少なくした低用量ピルが開発され、避妊の手段として比較的安全で、かつ有効であることが認められており、近く低用量ピルが経口避妊薬として認可されようである。

ピルは本来、丸薬または錠剤を意味するが、経口避妊薬が世界的に普及するに従い、ピルと言えばこれを指すようになった。ピルは、経口避妊薬とも呼ばれる。女性ホルモンの卵胞ホルモンと黄体ホルモン(類似作用物質を含む)の2種の合成ステロイドホルモンが配合された製剤である。

卵胞ホルモンと黄体ホルモンの 2種の合成ステロイドホルモンを使用すると排卵 が抑制されることは、1930年代から知られていたが、当時は大量に注射しなければならず、それに伴って副作用も強いために、避妊薬としては実用化しなかった。

しかし、1950年代後半に、経口で服用しても有効なステロイドホルモンが合成されるようになったので、米国のピンカスG.Pincusらが、1956年にプエルトリコのサンファンで経口避妊の実験を開始し、1954年ハ-ツらが、経口投与でエストロゲン活性を失わないステロイドの合成に成功したこともあり、1959年から経口避妊薬としての研究開発が進んだ。

米国のFDAが1960年にピルの臨床使用を承認して以来、欧米を中心に急速に使 用されるようになり、それとともに副作用も報告され、特に静脈血栓症との因果関係が問題になった。これに伴い1960年代の後半には英国、米国で含有エストロゲンを 50μg以下にするよう勧告がなされている。

1970年代初めの世界におけるピル使用人口は3,000~4,000万人と言われ、エチニルエストラジオ-ル 50μgとノルエチンドロン 1mgまたはノルゲストレル 0.5mgの製剤であった。

1980年代にはエチニルエストラジオ-ル 30~35μg、ノルゲストレル 0.3mgと副作用を減ずるため、ステロイド量を減らす研究がなされ、1985年以降はさらに低用量の 3相性ピルが主流になってきた。

日本でも1960年、経口避妊薬として、エナビットなどを用いて治験が始められ、1962年には承認申請が行われている。そして1964年には日本産婦人科学会の内分泌委員会において、医師が注意して投与するならば 2年間程度の使用はそれほど問題がないだろうとの結論が出された。

低用量ピルが日本で、経口避妊薬として正式に認可を求める動きが出始めたのは、1985年になってからで、日本母性保護医協会と日本産科婦人科が、低用量ピル臨床試験の要望書を厚生省に提出した。これを受けて厚生省は「経口避妊薬の医学的評価に関する研究班」が設置され、翌1986年には経口避妊薬としての低用量ピルの臨床試験が始まった。

そして1992年に、厚生省がHIVの感染拡大を配慮して、審議を中断したが、1995年 4月、調査会での審議が再開、 9月には「HIV感染とピルの使用率との間に明確な相関は認められない」と言う結論に達した。

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